20260726_141309

作者に心を付によて覚束なく
ならひも手前に出ず。たとへば
人を尋ねるに、その住所をも知らず
ただその名ばかりをしるべに尋ねる
がごとくなり。これ第1の心持なり。
一 刀、脇差とも上作はともかくにえ
にほひ深く物也。しかし作により右の
誠所無の作も又見える。大方十が
八つ九つまで煮え匂い有ると知るべし
一 中心の反りしたる事 刃棟をそぐ事
目釘穴色々なる事 右是はみな
打つ時のわざにあらず。むかし虫
作りとてつかにいろいろの紋をすへ、
つかひとつを取り、余の脇差どもに
はめたる事あり。そのとき、柄に
かまれたる所を打ち通し刃棟