腰物目利口伝書 第9帖

ながれは柾目なり。刃の焼き様,余の国の
鍛冶とは違い、はばき之より焼き
出すにより乱れなどもすゑほど
かいなく、必ず切っ先の刃は兼光などの
時代よりさきの古き作ともは、ぼうしの
かたちばかりにて、かえり無し。また
刃へも鎌倉物などのごとくには
惣別なし。においばかりなり。
但し、古備前の上作などにはにえ勝ちの
み多し。この古備前というは、一条
院の時代の前後の鍛冶どもなり。
右、京、鎌倉、備前三筋のかたちになき
作どもの事
一 刀、脇差の姿、鎌倉かたち共、又備前物
とも見えず、二つの間を作り、中切っ先
にして地肌刃の躰はおおかた

