日南町阿毘縁の大原山に砂防堰堤を作ることになり、昨年あたりから現地にあるたたら跡の発掘調査が行われてきました。
この度その調査が一段落したということで、現地説明会が開催されました。
大原山と言えば、平安時代に伝説の刀工大原安綱が山伏として流れ着き、そこで生産される鋼に惚れこんで刀づくりを始めたという伝説の地です。
季節君としては、ぬあんとしても行かねばなりません。

という訳で、気がはやり,かなりフライング気味に到着してしみました。
まだ、だーれも来ていません。

近接する事務所で待っていたら、よく知っている顔があちこちにみられるようになりました。
やはりたたらマニアの世界は狭いのです。

発掘担当の先生に連れられて山に入ります。幸いにもここの現場は道路からすぐそばでありました。
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かわひら

古い順に
①中世の炭窯跡
②中世の炉跡
③明治の炭窯の跡(取り除きすでにない)
が見つかっています。


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手前が中世の炭窯跡。奥左が製鉄炉。奥右の白っぽいところはトレンチで真砂の地層です。
正直、私は炭窯などどうでもよいのですが、中世の炭窯はおそらくたたらに使うための炭を焼いたのだろうと推測されます。
問題の製鉄炉は長さ5.8M 幅1.0M 深さ0.55M の地下構造を持っておりました。
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近代の炉と比べると幅がせまく地下構造もすごく簡単なものです。
地下構造は長いのですが実際に炉があったのはもっと短いだろうとの推測です。
2本の柱の跡があることから、簡単な上屋があったようです。

山際からの距離が短くってふいごや砂鉄置き場が作れないねとか、炉底が斜面になってるのはノロを流し出すためだったのだろうかとか、いろんな推測を見学者の間でワイワイガヤガヤ。
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当然ながら大きな流動滓があります。

見学者に中途半端な知識があるだけに、説明している先生も、やりにくかっただろうなと思います。
楽しかったけれど、お騒がせしてすいませんでした。
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帰りがけに見ると、ほんのすぐそば数百メートルに大原安綱の居たとされる伝説の地があります。
ただ安綱は平安の人。今回の遺跡はどれくらいの年代測定がなされるのでしょう。
どちらにせよこの近辺はさかんに鋼作りが行われてきた歴史が証明されました。