裏鈑冶職場は何と読む?
古文書の勉強会をしていました。『日野郡黒坂村福田丹波支配筋一件諸事控書抜』の66ぺーじ
(鳥取デジタルコレクション)
この文字は鈑冶職場なのですが、これを何と読むのか?
たたら研究会に所属する私は「かじしょくば」と読みました。
しかし、一般の生徒さんは読めないのだそうです。
そこで、先生から「季節君はその論拠を調べてくるように」とお達しがありました。
私は何の疑問もなくかじ職場と呼んだのですが、違うのでしょうか。
たたらという漢字は鈩、鑪などと書きますがそれと並ぶくらい普通に感じていました。
辞書で調べると「鈑」に「か」の読み方はありません。
ネット検索でも見つかりません。
そこで、あちこちの古文書を調べてみることにしました。
すると、やはりあちこちに出てきます。
近藤家文書では「明治元年の鉄山師総数は21名 うち鈩稼業のみ13名 鈩に大鈑冶を併設するもの3名」
ここでの大鈑冶は明らかにおおかじです。
そのほかにも古文書からは大鈑冶という文字があちこちにみられるので、おおかじと読んで間違いなさそうです。
伊豆あたりの古文書にはふいご祭りについて書かれていて、ここでも大鈑冶の文字があります。
たたらの里だからこういった字になじみがありますが、ほかの地方ではちゃんと読めているのかな?とちょっと心配になりました。
いわゆる老婆心というやつです。