私にとって久しぶりのたたら楽校ガイド
鳥取県西部経済同友会の代表をしている友人がいます。
彼の紹介でこの本の著者、DELLコンピュータジャパンの前社長が根雨においでになりました。
前社長さんは鳥取県のご出身で、鳥取県の歴史や文化に興味をお持ちとのことです。
今回は、むかし伯耆の国に栄えたという、たたら製鉄について話を聞きたいとわざわざ東京からおいでになったのでした。
前の鳥取県東京本部長の吉井さんも同伴され、大物3人にこちらの方が恐縮してしまいます。
コロナ以降お客様も減少気味で、伯耆国たたら顕彰会のメンバーもそれなりに歳をとってしまい、私自身ガイドすることも少なくなっていました。
当日は天気も良く、過ごしやすい初夏の陽気です。
たたらの楽校に自転車で乗り付けた私は、鍵を開け照明に灯を入れてゆきます。
サッシではなく、昔ながらの板ガラスの入った戸をガラガラと開け風を通します。
土間のひんやりとした空気が昔の屋敷の空気を感じさせ、心が落ち着いてゆく、そんな感じ。
施設をゆっくりと歩いて、今日はどういう話をすればいいのか、ストーリーを思い出しながら掲示を見て回ります。
歴史ってこのストーリーが大事なんだと思うのです。
歴史マニアの人はこの地域独特のストーリーを聞くのが楽しいのです。
地域によって違う歴史、それはオンリーワンの物語です。この歴史物語を掘り起こし、うまく世に出してゆくのが大事だけれど根気がいる。
この本にもこのようなことが書かれていたと思います。
午前10時30に皆さんおいでになり、伯耆の鉄づくりのお話を古代から順番にしてゆきます。
製鉄が始まったであろう古墳時代。日本刀の作られた平安時代。古都氏、木下氏、法橋氏の土着した室町時代。そして多くの鉄山師が活躍した江戸時代。
江戸時代は近藤家に残る文書の解析を中心にしたお話をします。
そして都合山遺跡の説明。
下原重仲の鉄山必要記事の事もちょっと放り込みました。
自分の記憶確認もしながら広く浅く90分ほどガイドをさせていただきましたが、もっと深く掘り下げたほうがおもしろかったかなと疑問に思ったりもします。
まあ限られた時間内の事ですので、ご容赦ください。
こうして伯耆のたたらの歴史を世に出すのが私の仕事だなって改めて思いました。
少しでも、お聞きになった皆さんのお役に立てればいいと思います。