たたらについて勉強するようになって、古文書と触れ合う機会が増えました。

そこには、いったい何が書かれているのか、気になります。

ぜひ知りたい、絶対知りたい。

しかし、あのミミズの這ったようなものがなぜ読めるのかがわかりません。

 

これは、いわゆる、虎穴に入らずんば虎子を得ず。

というやつだなと思いました。

(ちょっと違うかもしれない)

多少は無理をしないと望みをかなえることはできません。

そこで、思い切って古文書教室に通うことにしたのです。

 

あれから3年。

そう、石の上にも3年です。

 

少しずつではありますが、ミミズの気持ちが読めるようになってきました。

 

今は、福田家文書というのを読んでいます。

鳥取県日野郡を支配した、福田家という家の伝承を記したものです。

きちんと祐筆が書いているので、文字もきちんと崩してあります。

膨大な文書ですが、いつかはこの文書を全文、現代語訳してやろうかと思っています。

 

話は変わりますが、日野町では昔から伝わる公文書が保存されています。

日野町に初めての学芸員が採用されたこと、少しずつ古文書の扱える人が育ってきたこと。

などを勘案し、古文書をきちんと整理しようという話になりました。

 

もちろん私も、その末席で参加しています。

まずは、掃除をしてから、表題を解読し、リストを作ります。

 

今日は表題の解読作業をしました。

 

私が担当したのは享保14年の土地租税について書かれたものです。

どうやらこの年は、水害が発生したようで、その文書がありました。

荒地、新開地について、井出川について、租税免除について記載されています。

内海さんという役人さんから、土地の庄屋、百姓に対して、年貢を減免することなどが巻紙に書かれていました。

IMGP0076

 

武士が書いたものは読みやすいのですが、村役から庄屋に差し出された報告書は、崩し方がいい加減で、とても私には読めません。

先生方の手を煩わせながら、四苦八苦しておりました。

当時の人はこれを読んでいたのでしょうねえ。

今日は、やっと15冊ほど整理できたでしょうか。

それでも、5人でやれば75冊を整理できたことになります。

整理しなければならない古文書は、あちこちの部屋に分散して山のように積み上げてあるとのこと。

気の長い作業になりそうです。

そのうちに、たたらに関する文書もきっと出てくるだろうと思います。

下原重仲の「鉄山要口訳」の時のように、とんでもないものが出てくるかもしれません。