カテゴリ:

たたらでは、鉄の原料に砂鉄を使いました。


その砂鉄も、最初は川に堆積したもの(川砂鉄)、海岸に打ち上げられたもの(海砂鉄)を使っていたようですが、近世くらいになるとさかんに山を崩して砂鉄をとるようになります。


これが鉄穴流しと言われる方法です。


これについては鉄山秘書にも詳しく書かれています。図面も書かれています。


要は、真砂山(劣化花崗岩)を崩し、水流で土砂を流しながら比重により重い砂鉄を人為的に堆積させ、砂鉄を採取する方法です。


鉄山秘書にはまず朝初めに山の上に上がり石を落としておくこと。(山を崩すときに岩が落ちてくると危ないですからね)


とか、山の上に堤を築いて水路をひき、水流で土砂を流す方法とか書かれています。


恐ろしいことに、落盤で人が生き埋めになるのでその回避方法とか、もし生き埋めになったら水は流さないようにとか(土砂が締まってしまいます)、埋まった人は穴という穴から血を噴出すとか書いてあって恐ろしいです。


 


で、気分を変えて砂鉄の選別方法です。


長い樋を作って落差をつけながら流すのですが、実物が横田には残っています。


ということで羽内谷鉄穴流し場に行ってみました。



こういったものが残っているのが島根です。


歴史をとても大事にしていらっしゃいます。


奥日野では鉄穴場とか鉄穴流し跡とかはありますが、ここまでしっかりとは残っていないのです。残念ですね。