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皆さんあけましておめでとうございます。


ようやくお正月気分も抜けた季節君は、少しお勉強をしようかと図書館に行きました。


米子市、日野町、日南町など、この地域の図書館にはたたら関連の書物が多くあります。


そして私の行きつけである日野町図書館の持ち出し禁止のキャビネットの前に行くと、いろんな本があって目移りがしてしまいます。


今日は昨年末から読み始めた、地元の鉄山師「下原重仲」が江戸時代の中期に書いた名著「鉄山必要記事」の続きを読むことにしました。


何といってもこの本は全8巻からなる大変ボリュームのある本です。


そして先日まで、私は古文体の書物を読んでいたのですが、なんと現代語訳の本があることを知りました。


これで辞書と首っ引きになることもなく、サクサクと読み続けることができます。


そして、さすがに日曜の朝の図書館は静かです。


平日は騒がしい人がいて気の散る事が多いのですが、今日は本に集中することができます。


と、ここで一人のおじさんが新聞を持ってやってきました。


やあ!おはよう と挨拶されます。


だれかいな?(;一_一)


近年、季節君も老眼になってしまって、眼鏡を掛け替えなければ人の顔が分かりません。


眼鏡をかけて見ると、


日野町長さんでした  (@_@;)


町長さんも日曜にまとめて、世情を勉強されるためにおいでになったようです。


ということで町長さんと同席で勉強をすることになりました。


なんか、授業を先生に見張られているようで緊張します。


 


鉄山必要記事 第3巻では大炭(精錬用工業炭)の作りかた、小炭(鍛冶用炭)の作り方などが書かれています。


立木を切るのに昔は斧を使ったが、最近では木が小さく 日野木切り という道具を使うとあります。


江戸時代中期に作られた道具で日野郡で使われるようになったから日野木切りというようです。


絵図を見ると今でいうナタですね。


そうか~、ナタはそういう風にして開発されたのかって関係ないところで感心する季節君でした。


寒いときは道具が折れるので、暖めてから木こりに使うことなどの心得が書かれています。


また、炭は後になって発火することがあるとか、炭小屋が火事になって炭が足らなくなることがあるので、用心立木山というのを設けると書いてあります。


非常事態用の立木のストックをしておくということですね。


たたらも1000年を超えるくらいの産業になると、ずいぶんと細かいところまで計算しつくされているようです。


さらに第4巻には高殿建設の仕方が細かく記載されています。


高殿が火事になっても類焼しないように、山内小屋は風下にならないところに作れとか、全てが見渡せるところに元小屋を作れとか、


鬼門の方角や、大鍛冶から炭を持ち出されないように、大鍛冶や炭小屋は山内小屋から離せとか書かれています。


山内建設には300人でやれれば上々、山奥での建設には600人かかると書かれています。


下原さんちもずいぶん大がかりなたたらをやっていたのですね。


というか、たたらというのはそれくらいすそ野の広い、多くの人を養うことのできた産業なんですね。


私が思っていたのと全然スケールの違う話にびっくりしました。


ここまで読んだところで、早くもお昼になりました。


昼から季節君は、高殿模型の修復現場に行かなくてはなりません。


まだ図書館のキャビネットの中には、近藤家文書やたたら研究の各号など魅力的な書物が多くありますが、今日はここまで。


日野町長さんはまだ熱心に御勉強中ですが、季節君は一足お先に失礼することにいたしました。


高殿模型もあと1月ほどで完成しそうですが、このお話はまた後日。