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日本刀の世界では神の域にあるという名刀、童子切安綱。(童子切安綱とは天下五剣の1つとされ日本刀の中で最高といわれる名刀。現在は国が買い上げ、東京国立博物館に所蔵される国宝、源頼光がこの刀で大江山に住む鬼 酒呑童子を退治した逸話から童子切安綱の名前がついた)
意外とその作者、刀工伯耆安綱の地元鳥取県西部でも詳しく知られていません。
というか私が実はよく知りません。
先日、先輩から名刀 伯耆安綱のことを勉強するように言われ現在、そのご助言に従ってちょっと勉強しています。

私が興味を持つのは、その安綱の原料となった鉄です。
この中国山地のエリアがたたら製鉄の国内最大とも言える地域だったことから、地元での鋼(はがね)が使われていたことは間違いない。というか、ここが優秀な鋼の産地だったから優秀な刀が生まれたのは当然の成り行きなのでしょう。
童子切安綱は平安中期の作とされ、その1000年を越えても錆びないコンディションは奇跡といわれています。
先日、近藤家伝来の鋼の塊を拝見いたしました。
これはきちんと近藤家にいつ、どこで作られたものかも伝わっており、生産時にムロにくるまれたまま最近まで近藤家の蔵に保存されていたものです。
100年を超える古い鋼の塊なのにぴかぴかでさびが出ていません。それは不純物が少ないため錆びない純鉄ともいえるものだそうです。これをご覧になった日刀保のかたも驚いておいででした。
安綱が1000年を超えても錆びないのはよほどいい鋼を使っているのでしょう。一説によれば古代の印賀鋼が使われていたと記述する文献もあります。
実際に分析することはできないのでしょうが、1000年を超える名刀 安綱 その作刀時期や場所、材料、反りができた由来など伝説で残るばかりで諸説ありはっきりしないそうですが、逆にそれがロマンを誘います。