カテゴリ:
本日、日野町でたたら研究会が開かれました。
全国組織である学術団体 たたら研究会の会員の皆さんの学術研究発表会です。
会員40名と一般参加とで70名ほどいたでしょうか。
最初に古瀬会長からご挨拶があり、『この町は近藤家をはじめとする大きな鉄山氏のいた町で、たたらもいたるところで行われていた、この日野郡はたたらの聖地である。。云々』
そうか、日野郡はたたらの聖地だったのかぁ。。。

町長の歓迎挨拶に続いて早速研究発表が行われました。
①近世後期における出雲の国能義郡鉄師家嶋家の経営進出
②真砂砂鉄と赤目砂鉄の分類
③鳥取県都合山炉出土鉄関連遺物の金属額的調査
④鳥取県天神川流域の鉄穴流しと海岸地形の変化
⑤鳥取県日野川流域に見る炉の立地と移動
⑥鳥取県砺波炉跡の調査

と、6本の研究発表が行われました。
少々頭の固くなってきた私ですが、興味深く拝聴いたしました。
地元鳥取県を意識した研究発表が中心となりましたが、いろいろ見識を深めることができました。
砂鉄でも、その含まれる成分によって鉄のでき方が違うことや、刃物になる鉄、鋳物になる鉄のことなど(実際の発表では比重選別された砂鉄と磁力選別された砂鉄ではチタンの含有成分が違い、それによって溶解した鉄の粘度が違うこと、さらに製造過程に違いが生まれ、製品となる鉄塊の性質も変わることなど)
とか、今の地形からたたら製鉄(かんな流し)が行われていたであろうピンポイントの特定の仕方なんてのもありました。
島根県教育庁古代文化センター 角田さんの研究論文は何度も拝聴しているので少しづつ深いところもわかってきたような、、、?

その後も片付けの合間に、近藤家現当主の方とお話させていただく機会に恵まれ、いろいろ秘密っぽいお話も聞くことができました。きっと、日本屈指の学芸員の皆様でも知らないであろうと思われます。さすがに日本一の鉄山師の家柄だなーーーって感心しました。

じつは、研究発表のあいだも近藤さんの隣の席にくっついて難しい話の説明を、近藤さんご本人から受けていたちゃっかりものの私でした。