日本最古の刀剣書 である観智院本『銘尽』(めいずくし)を見ています。(国会図書館HPなどで見ることができます)

なかなか解読できないので、生意気に読んでいますと言わないところが季節君の奥ゆかしいところです。

国立国会図書館 コマ番号44ページ
伯耆鍛冶のところに『上一諷誦 ひけきりお作』(ひげきりをつくる)とあります。さらにその下には月山の名が見えます。
はたして、上一、諷誦、月山は伯耆の鍛冶であったのか。
じつは伯耆鍛冶の大原真国は奥州に行っていますし(鳥取県郷土誌に記載)、鉄山秘書を書いた下原重仲も奥州に行っています。すると、奥州の鍛冶が伯耆に来たこともあるのか。意外と、奥州と伯耆が技術提携のためのお付き合いをしていたりして。

さらに、ひけきりとあるのは平家物語に出てくる髭切と同じものなのか。
昔から、名刀を真似て作るというのは頻繁に行われていたそうなので、同じ名の刀があっても不思議でも何でもありません。

安綱の項目には『田村将軍 且八矢乃剣 作上手也』(たむらしょうぐん そはやのつるぎ つくりじょうずなり)と書かれています。じつは且八矢乃剣というところが読めなくって、ずいぶんと崩し字辞典を調べました。(笑)
坂上田村麻呂の佩刀にソハヤ丸があることからやっと読むことができました。
太平記の記述と一致しています。年代も田村麻呂と大同の時代(童子切が作られたとされる年号)は一致します。
ただ、ソハヤの剣と童子切は作風が一致しないと思われます。

さらに眞守のところには『安徳子 平家のぬけ丸作』と書かれていて、これは平治物語に書かれている通りです。

その下に書かれている『為吉』という名もちょっと気になりました。
安綱一門の系図にも載っていますし、現存する刀にも為吉の名はあります。たぶん1000万円くらいするのでしょうか。
それでも、安綱に比べれば、ゼロが少なくお安いです。