太平記の内容をおさらいしています。

平家物語で髭切・膝丸だった話が太平記では鬼切・鬼丸となって話が展開しています。

平家物語では刀工が『筑前国三笠郡土山の異国からの細工士』となっておりはっきりしませんが、太平記では伯耆国会見郡大原五郎太夫安綱・奥州宮城郡の三の真国とはっきり名前が出ています。

そして、現代に残る、この鬼切には安綱の銘が入っています。(国綱と改名された銘が残っています。安土桃山時代に銘安綱としては童子切安綱のほうが名声を浴びていて、これに負けたと思った持ち主が鬼切安綱を鬼丸国綱とすり替えようとしたという見方があります。

 

したがって太平記に出てくる鬼切は、大原安綱作であるとの太平記の裏付けもあり、現物に『安綱』銘も入っているので大原安綱作に間違いないでしょう。

 

また、平家物語では、渡辺綱が髭切を使って一条戻橋の帰りに鬼の腕を切ったと書いてあるので、話の内容が一致し、太平記の鬼切と平家物語の髭切は同一であることがわかります。

以上の結果からすると、髭切=鬼切→安綱作。

 

ところが、平家物語では『筑前国三笠郡土山の異国からの細工士』の作となっているので、

筑前国三笠郡土山の異国からの細工士』=大原安綱となります。

ならば鬼丸も=大原安綱作となってしまいます。

 

答えはいくつか考えられます。

    平家物語では一人が二つの刀を作ったとなっているが、膝丸は安綱作ではなく別の人が作っていた。

    平家物語の言う通り、髭切も膝丸も安綱が作ったが(ここで膝丸=童子切説が生まれる)太平記の鬼丸は平家物語に出てくる膝丸を指していなくて、ほかの人が作った刀のことを指している(粟田口国綱の鬼丸)← すると太平記に書かれている鬼丸の作者とされる奥州宮城郡の三の真国はどこに行ったのでしょう。


やっぱり季節君の頭では、謎は解明されません。

 

どちらにせよ、話がややこしくなる背景には、当時の権力者が持っていた刀を称賛して、おべんちゃらしようとした人たちがいると季節君は見ています。


( ..)φメモメモ