下原重仲という人がいます。
江戸時代にたたらの秘伝書「鉄山秘書」を書いた人です。


たたら製鉄の全様について記載された日本最古の本であり、たたらのバイブルとも呼ばれています。
この書物は後にいろんな人の間を伝わり、現在の東京大学に写本として残っています。
そして、「鉄山必要記事」と現代語訳されて世に伝わります。


この本のすごいところは、およそたたらについて思いつくことはすべて網羅されているところです。
たたら場の掟や、賃金体系。
道具の作り方から、建物の作り方、その配置、炉の構築。
金屋子神の伝承、砂鉄の品質、炭についてなど全8巻にわたって書かれているそうです。

(季節君は現代語訳を読んだだけで、実物を見たことがありません)


実際のたたら操業部分についての記載は、村下の秘伝でもあり、若干記述が甘いという指摘もあります。

しかしながら、この本によって現代でもたたらの詳細がわかるわけで、大変貴重な資料であることに変わりはありません。


下原家の発生は現在の江府町。俣野の深山口といわれています。

下原家が山口屋と号するのは、この深山口という地名と関係があるのでしょうか。

私にはわかりませんが、関係性を連想します。


そして、その家系も森蘭丸の末裔だという説と、いや違うという説が交錯していて、確証がなく謎が残ります。

この下原重仲が亡くなってから、今年で200年。
地元江府町で没後200年記念の講演会を開催しようかというお話があります。

11月に江府町での開催となりそうです。

まだ中身は決まっていないようですが、内容の濃い、新しい説も加わった興味深いものになりそうで、季節君は今からワクワクしています。

この講演会でかなりの謎が解明されるのではないでしょうか。

詳細が決まりましたらまたご報告いたします。