小説「残照」
井上小山氏の福市屋孫左衛門一代記を読みました。
この本は、最近出たものですが、一般には販売されていないもののようです。
季節君は、知り合いの伝手をたどって貸していただいたものです。
内容について少しだけ触れます。
江戸時代の伯耆国奥日野で作られた鋼で有名なものに、印賀鋼があります。
大宮の鉄山師「青戸家」が作った鋼として広く知られています。
当ブログでも日本の三大鋼として、印賀鋼、出羽鋼、千草鋼として紹介しています。
この青戸家の創業期を物語に仕立てたものと考えてください。
福市屋というのは青戸家の屋号のようです。
青戸家が操業に至った経緯について、かなり詳しく調査がなされています。
日南町の人が書かれたものなので,地元の人しか知らないようなこともたくさん書かれており、また郷土愛に溢れた作品です。
文章も癖がなく平易で読みやすく、理解しやすい作品です。
この小説を全くの史実として捉えてはいけないのでしょうが、奥日野で作られた良質な鋼を、『印賀鋼』と命名して、世に広めた青戸家。
その功績は偉大なんだと思います。
季節君なんかは、この印賀鋼の歴史は大宮の宝だと思います。
1日もあれば読み終わるんで、手に入る人は大至急、手に入れて読破されることをお勧めします。
ダッシュ!≡≡≡ヘ(*--)ノ
手に入らない人は……どうしましょう?