県博の赤羽刀展示
季節君は、雨降る中をこんなところに行ってみました。そう、仁風閣です。そしてその後ろには鳥取城の石垣が見えます。
明治の廃藩置県の折、一時的に鳥取県が島根県に併合されるという政治的事件があり、島根県に鳥取城は必要ないと解体されてしまったらしいのです。
そしてその後、池田のお殿様は仁風閣を建てたのでしょうか。
今、鳥取城の周辺では擬宝珠橋を再建しようと工事が始まっていました。
城門はすでに再建されています。
お城も今はマニアがいらっしゃって、ブームなのでした。
で、しっかりと鳥取城の歴史に漬かったところで、本日の本命の展示会に向かいます。
ただいま、鳥取県立博物館では刀剣展示がなされています。
昨今の刀剣ブームもあり、多くの人がおいででした。駐車場がいっぱいで車の置き場所にしばしの苦労。
入場料の180円はいかにも安すぎますが、ほかの展覧会も少しはこの鳥取県の太っ腹に驚いていただきたいものです。いまどき180円では喫茶店のコーヒーも飲めなくって、180円で頼めばおそらく水しか出ないでありましょう。
では、刀剣展も水のように安っぽいものかと言えば、なんと驚きの展示でありました。
赤羽刀といえば、戦後進駐軍が接収した日本刀でありますが、このたびは室町から江戸時代の伯耆の刀が26振り展示されておりました。
季節君はまったくの刀剣素人なのですが、それでも見ていると見とれてしまうようなすごさがあります。言葉では表現できません。
奥日野のたたら場で作られた、錬鉄や鋼の塊はいくつか見ましたが、それがこのように光輝く、均衡のとれた造形美になる物でしょか。
会場においでの皆さんも、息を呑んで刀を見つめておいででした。
このなかには安綱や真守のような超名刀はありませんが、広賀とか寿格はありました。
浜部寿格には武州以伯州印賀鋼鉄造之 と刻まれています。
(おそらく、江戸にて伯耆の印賀鋼を以って之を造る といった意味でしょう)
地金は渋く黒ずんだ色をしており、しっとりとした光沢を醸し出していました。
うむむ。
刀剣に心を奪われる人たちがいらっしゃるのが、少しわかったような気もします。
次は、米子市美術館、日南町美術館で展示の内容を替えて伯耆の刀剣展が開催されます。