銘尽を読む 安綱
室町時代初期に書かれた、刀剣書に「銘尽」と言うものがあります。現在は重要文化財になっていますが、この書物の安綱の項目を読んでみました。
なかなか季節君には難しくって、結局鳥取県立公文書館OBの安藤先生に頼ることになりました。
返事を頂き恐縮したのですが、内容を読んでさらに驚愕しました。
「安綱 伯耆国小原安綱と書ク
波太刀刃ハ利人将軍ヨリ越前
国有裕寺次就末さひす
と非釼とミ主おきらふと云々」
流石に名刀です。
このような伝承が産まれるのですね。
三文刀ならば、主を嫌うなんて言えば、さっさと捨てられてしまうのでしょうが、名刀は主の方が恐縮してしまうのでした。
そういえば、徳川将軍家では童子切を越前松平家に預けたり、津山松平家に預けたりしています。
将軍の耳にも「お前なんか嫌いだい」と言う、童子切安綱の声が聞こえたのでしょうか。
本当に貴重な刀なので、本来は手元に残しておきたかったでしょうに。