古文書が面白くてやめられない

鳥取県日野町は、文化財保護に力を入れようとしています。
季節君もたたら顕彰会のほか、文化財保護審議会とか文化財保存活用推進協議会とか古文書に親しむ会とか、古文書整理ボランティアとかいくつかの団体で活動しています。
あまりに似た様な団体で活動を繰り返していると、どの団体でどんな活動をしたのかこんがらがってしまいます。

今回は古文書整理ボランティアの活動です。
日野町でも多くの貴重な古文書が行方不明になっています。
鳥取県西部地震だったり、引っ越しだったりした折に処分されてしまうのです。
武士だった家に伝わっていた たたら製鉄の古文書だったり古い時代の大阪城の縄張り図だったり、それは見たという人の話として聞くだけで現在はもうなくなってしまっています。
そこで、「遺物や古文書は処分する前に日野町教育委員会にご相談ください」というキャンペーンをしようと思っています。

今回は、地震の時の古文書レスキュー隊が集めてきた古文書のせいりをしました。
新旧入り混じってこんなになっています。
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100年前の引き札(広告)や田畑の年貢に関する巻物などがありました。

さらにこのような冊子を発見
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(天保5年小河内村内林鉄山所改帳)
鉄山所と書かれているので すわ!たたら場か! と思ったのですが、炭を作るための鉄山林の記述のようです。
百か所くらいあるけれど、境界がはっきりしないので、しっかり調べて書き上げ、資料にするといったことが書かれていました。
持ち主とか境界部分の目印とかが細かく書かれています。

日野町ではまだまだ新発見のたたら資料が出てくるんです。
面白い
そのうち世紀の大発見があるかも


久住の切り図にたたら場発見

毎月行われている、日野町の古文書整理に参加しました。
衣装箱に4杯。400冊くらいが今回の調査です。
ほかにも日野高校黒坂校舎に2部屋保管室があったりします。(^-^;

今回見つけたもので面白そうなのは、久住村の切り図。
ページ数は50ページくらいあったと思います。
しっかりとメモしてこなかったのですが、1800年頃、江戸時代後期のものでした。
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まん中下の方に赤で「鈩場所」と書かれています。
これは杉屋鈩といわれるところで、遺跡の上に今は家が建っていると思います。
私たちは久住集落で4か所のたたら場と1か所の大鍛冶を確認しています。
杉屋鈩はそのうちの一か所なのですが、この切り図には、ほかのたたら場の記載がありません。
おそらく、この時代にはほかのたたら場は操業していなかったのでしょう。
数年前に調査した遺跡は室町時代のものでしたし、ほかにみつかった近藤家のたたら場はもっと新しい時代のたたら場でした。
それからまん中に水色で池が記載されています。
すごい急斜面に無理やり作ったような溜池です。
近くに鉄穴山という地名もあることから、この池は鉄穴流しのための池だろうと考えています。

久住や上菅などの地区は比較的多くの文書が残っています。
ほとんどが租税目的の土地台帳等ですが、今後も調べてゆこうと思います。

都合山遺跡のメンテナンス作業

鳥取県日野町に都合山という製鉄関連遺跡があります。
ここは明治に砂鉄を使ったたたら製鉄を行い、軍部などに和鉄を供給しました。
まだ八幡製鉄などは稼働しておらず、日本の主要な製鉄所の一つでした。
その都合山鉄山を当時の東京大学の俵国一先生が調査し報告書を作りました。
古来の砂鉄精錬法という本になっています。
また、都合山鉄山の創業者であった近藤家には、江戸時代からのたたら関連文書が10万冊も残っています。
そこにもこの都合山のことが詳しく書かれた文書があります。

そしてこの鉄山は閉山した後、ずっと山中に取り残されたままでした。
15年前に再調査されるまで……
発掘調査されると、いろいろなことがわかってきました。
炉の地下構造は極めて複雑にできています。
鉄を製品化するために大鍛冶が2か所ありました。
鉄を冷やす池、動力の水車小屋、鉄を割るための大銅場、砂鉄洗い場、金屋子神社、職人の暮らす長屋など、様々な建物跡があります。
周囲の山には砂鉄を掘った跡や水路が延々と続いています。
土砂を粉砕するための滝や、砂と砂鉄を分離させる選鉱場なども見つかりました。
まだ調査は続いており、全容は見えていません。

それはさておいて (どっこしょ と置いておきます)

18日に遺跡の草刈りをしました。
草ぼうぼうでは、見学者も困ります。
地元上菅自治会。日野町教育委員会。奥日野ガイドクラブ。伯耆国たたら顕彰会からの動員です。

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仮設トイレも整備され、道もかなり綺麗になっています。
遺跡の説明看板もできました。
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看板にスマホをかざすと、創業当時の動画(アニメ)も観ることができるようになっています。

日野町上菅または畑集落から20分程度山道を歩きます。
足に自信のある方はおいでになってください。

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