伯耆国たたら顕彰会のメンバーの多くが兵庫県宍粟市に見学に行っています。
そこには『たたらの里学習館』があります。
たたら顕彰会の役員仲間が「たたらの里学習館には是非行って見るべきだ。展示の仕方が上手だし、面白い模型もある」と言ってくれました。
それに、当会主催のたたらフォーラムではたびたび宍粟市の皆さんにおいでいただいています。
ちょっと遠いなと今まで二の足を踏んでいたのですが、この言葉に背中を押されて行って見ることにしました。
朝から良い天気で小旅行を楽しめそうです。
日本海側を山陰道から鳥取自動車道に乗り継ぐという手もあるがな、と思いながらルートを探します。しかしどのナビゲーションを見ても米子道から中国縦貫を通れと主張しています。
中国道はちょっと高いんだよね、などと思いながらもカーナビに言い返す勇気もなく、江府インターから落合JCを通って兵庫県に抜けることにしました。
鳥取自動車道大原インターを降りて一般道へ。

日野郡に負けないくらいの山の中です。
たたらをするには豊富な森林が必要なため、たたらの里はどこも中国山地の山の中です。

すっげー山道。峠道。
対向車とすれ違えないし。
なんとかせいーと思っていると間もなく千種の町に出ました。

ここまで片道3時間。(途中ラーメン休憩 1杯)
高速料金3000円ほど。

道路標識に『千種』と出ているとうれしいですね。
日本三大鋼といわれる『千種』兵庫県。『出羽』島根県。『印賀』鳥取県
あの千草鋼の里です。
ついに来たどー
思わず道路標識を写真に撮ったりして。

ちょっと山道を迷いながらたどり着いたのは『たたらの里学習館』でした。
なんか薄暗くて、休館なのか?せっかくここまで来たのに?という感じでした。
しかし、玄関にはキッパリがっつり『会館中』の標識。
周りは、いかにも鈩をやっていそうな気配が漂っていました。
つづく

このところのたたらガイド

先日のいきいきひのふるさと祭りでのガイドに続き、今日は日野町教育委員会の要請で、青少年育成会の先生方へガイドをしました。

お客様を待つ間、野原健一先生から頂いた本を読んでいました。
製錬滓と鍛冶滓の見分け方、成分の違いなどが論文になっています。

また、鞴を置けないほど狭いところで、山中にある製鉄遺跡の説明。
これは山中を吹き降ろす風を使うための構造だと書いてありました。
先日、日南町で見た遺跡によく似た構造でした。
これで土師器でも出てくれば大発見になるのだが、、、、、、と思ってしまいました。
そうして読み進んでいくうちに、何やら玄関が騒がしい。
ゆっくり読書もできないぢゃないか。 (-_-メ)
と思っていたら本日のお客様たちでした。

(o*。_。)oペコッ

時間もないので間髪を入れず説明を始めます。
しかしなかなか言葉がうまく出てこない。
しばらくたたらの楽校ガイドをさぼっていたので、脳みそがさび付いているようです。
人の名前、本の名前などが出てこないのです。
今日なんか、八岐大蛇が出てこなくて苦笑いしてしまいました。
IMGP0148
   これは資料映像

それにしても、大人の方にガイドをするのはすごく気持ちいです。
砂に水が浸み込むようにという表現がいいのかどうかわかりませんが、私のガイドが綺麗に皆さんに吸い込まれていく感触があります。
皆さん身を乗り出して聞いてくださいます。
あっという間に持ち時間を使い切り終了となりましたが、うまくガイドできたと思います。
ガイドご希望の団体は日野町教育委員会に押しかけてください(笑)。
要予約で不定期にガイドします。


第11回令和のふいご祭り その2

10月27日当日
朝7時に集合です。
そして、トラックから荷物おろし。
組長の指示のもと、基礎を組み立て鉄パイプを建てます。
それに耐熱シートを貼り、あっという間に完成。
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指揮官が優秀なのと、組み立てることに皆さん慣れてきたのでしょう。

村下さん(技術長)は縦型炉を組み立てていました。
我々が脚立などの工具類を片付けて営業準備が整った頃、村下さんはトーチで炭に着火。
この小さな火が、やがて炉全体を熱し、砂鉄を溶かす炎となるのです。

まずは初種。
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緊張気味に砂鉄を投入し、炭を追加します。
これから、延々と(といっても夕方には終わります)砂鉄と炭の投入を繰り返し、それがやがて鉄の塊となるのです。
砂鉄15Kgを予定しています。

お昼過ぎには一度、ノロを抜いてやります。
砂鉄は酸化鉄とケイ素でできているので、砂鉄を加熱して溶かすことによって酸化鉄とケイ素が分離します。その上澄みとなっているケイ素を適度に抜いてやるのです。

ここまで見届けて季節君は会場を後にします。
今日はたたらの楽校で無料ガイドをすることになっています。
久しぶりのガイド活動に『はて?上手くできるかしら?』と適当に不安になる季節君でした。
まあ、これくらいの緊張感をもって事にあたったほうが失敗がなくてよろしい。
歴史マニアの方たちが10人ほどお集りの中、なんとか1時間でお話を終わりました。この1時間というのが微妙なのです。
ちょっと深く突っ込むと2時間や3時間はかかってしまいます。
全部話してしまうのではなく、あと少しというところで話をおわる。この微妙な匙加減が大変に難しい。
なんとか1時間で話をまとめ、今日は近藤本家さんが屋敷の中を見せてくださるというのでそちらに移動しました。
屋敷は鳥取県指定文化財に指定されていますが、中までは普段見ることができないのです。

ガイドが終わって、会場に戻ると、炉は解体されすでにけら(鉄の塊)が出ていました。
今年は7Kgほどの鉄ができたそうです。
うちのムラゲは、驚くほどの鉄を絞り出します。
砂鉄15Kgからだとするとほとんどロスがなく鉄になっている計算です。
こうして作られた鉄塊はすでに11個になっている計算です。
そろそろこの鉄塊を使って何か作ってみたいところです。
しかし、この鉄は均一でないので、鍛錬してやらないとどうにもなりません。
さて、どうしたものかと思案のしどころ
誰かアドバイスをくださいと、沈みゆく西日に向かって叫ぶ季節君でありました。

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